現在二軍の最多勝防御率2.02、6勝3敗（※6/11現在）と抜群の成績で結果を残している松木平投手。しかし松木平投手はまだ育成枠。数字だけを見れば支配化されてもいい選手。なぜ支配下登録をされないのか？結論から言ってしまえば支配下登録枠と先発層でしょう。
現在の中日先発陣
主な先発は、高橋宏-小笠原-柳-梅津-涌井-メヒア-松葉の7人。ざっと見積もっても十分にローテーションを一週間作れる余裕はあり、6月11日までに投げた先発陣は上記の7人と大野、仲地の二人のみ。先発防御率は広島、阪神に次ぐセ・リーグ3位の2.82。
十分に試合を作れる投手が6人以上いるので梅津、メヒア、松葉は体力と調子を見て一度抹消させたりかなり余裕のある編成となっております。まずこの先発陣の豊富さがすぐに松木平投手の支配下登録とならない大きな要因でしょう。
支配下登録枠
プロ野球は1軍で出場するにはご存知の通り支配下登録枠に入る必要があります。そしてその枠は70人と決まっています。開幕始まるまでは65人だったのですが、開幕直前にC. ロドリゲス選手、尾田選手の支配下登録が決まり、続いて板山選手、岩嵜投手の支配下登録があっという間に決まり69人となり、今年は残り一枠となってしまいました。
この一枠というのがポイント。残り一枠となると後で「あっやっぱこいつも支配化したかった！！」が出来なくなるなるので、今年監督ラストイヤーとなる立浪監督としては慎重にならざるを得ません。
色々なトレードや補強をしてチームを変えてきましたが立浪監督としての最後のカンフル剤の一枠なんです。
補強ポイントは変わる
「いやいやそれでも二軍で一番結果残してるんだし、登録すればいいじゃん！」と思いますよね？ですが難しいのは補強ポイントは変わるということ。例えば極端ですが現在一軍のロングリリーフ要員の梅野、橋本投手がケガで抹消となれば先発の松木平ではなく中継ぎでファーム覚醒中の22試合登板防御率1.22の近藤廉を支配下登録となる可能性が高いでしょう。（というか中継ぎの層に苦しむDeNAなどにいけばすぐにでも投げれるレベルです…）
逆に先発の誰かがケガとなれば松木平投手の支配下の可能性は大きく上がります。
育成支配下登録の期限
育成選手のシーズン途中の支配下登録は7月末までと期限が決まっています。この7月末までというのがポイントで、逆に言えば7月末までは悩めるということ。8月9月の終盤の大事な一ピースに必要になるのはどの選手なのか？を考え登録になるので、すぐに「こいついい感じいいやな、支配下したろ！」とはなれないわけなのです。
もっとリアルに言えば、一軍固定の投手高橋宏斗や小笠原、柳などはあまり関係なく梅津、松葉、メヒア、仲地、大野。この辺りの投手がへばってくれば岡田、松木平に白羽の矢が立ち、梅野、橋本にへばりを感じれば、近藤に白羽の矢が立つでしょう。
ちなみに野手の育成選手は目立った活躍の選手はいないので現段階では考えづらいかなと思います。しかし突然の覚醒ももちろんあり得るので色々な可能性を考量してのここから7月末までの首脳陣の葛藤があるでしょう。
首脳陣の松木平投手への思い
井上2軍監督「キャンプからファームの先発ローテを守り抜いて、しっかりイニングを投げて最多勝を取れと言っている。これだけの数字を残しました、というのがあれば道が開けていくと思う」
5/14の記事で井上二軍監督はこのようにコメントしています。つまり松木平投手に対する首脳陣の意向は「一軍のローテはまあ今のメンバーで回ってるから焦らず二軍で1年戦い抜く調整方法も学んでから支配下にしよ！」といった感じなんでしょうね。すぐに必要なら最多勝なんてコメントは絶対に出ません。
小笠原、高橋宏斗はメジャーに行きたいと明言しており、柳もFAが近く、大野、涌井はこれから中6日で活躍を期待する年齢ではないので、実はドラゴンズの先発は一見表面は分厚いですが中が薄いような状態です。今のメンバーが欠けてきたところに根尾、仲地、石川翔らと入ってきて欲しいと考えているでしょう。
まとめ
最後に色々なことを言ったのでまとめておきます。
・現在一軍先発は間に合っている
・支配下期限の7月末まで最後の一枠は簡単に決められない
・首脳陣は次世代ローテ投手として考えている
一つ間違いなく言えるのは冷遇しているわけでも何でもなく、しっかり未来のエースとして考えているからこその起用の仕方なので評価は間違いなくされているでしょう。一軍での初登板が待ち遠しいですね。
コメント